35mmレンズと50mmレンズとでは写る範囲が倍違います.この間を埋める40mmレンズが欲しいなと前々から思っていました.メイン機をα7に換えたことでもあるしこの際揃えようか,と思ったのですが欲しいと思うレンズがない・・・.
MF時代の一眼レフ用レンズは「パンケーキ型」,薄さを売りにしているものばかりでイマイチ食指が動きません.無理して薄くしてるんじゃないの?と思ってしまうんですねぇ.コシナのNOKTON 40mm F1.4というのはあるけどこれも薄いよなぁ・・・F1.4という明るさも要らないし.
まぁいいかと思っていたらこのレンズをヤフオクで発見.安くはないが高くもない.ライツの最新型(といっても1978年)引伸機 FOCOMAT V35 AF に標準でついていたレンズです.
引伸レンズによる撮影は以前も試みました.バックフォーカスの関係で50mmは使えず長いタマだけでしたが.接写でベローズにつけて使うには軽量コンパクトで便利でしたが,普通の撮影では「わざわざ引伸レンズを使わんでも・・・」という感じで飽きてしまいました.当時入手したBORGのいちばん薄いM42ヘリコイドもあるし試してみるかな.
40mm引伸レンズはローデンシュトックやシュナイダーにもあるしニコンにもありました.ライカ判用ですが50mmとの違いはヘッドをそれほど上げなくても大きなサイズのプリントができるという点です.
鏡胴は樹脂製です.小窓が開いていて引伸機の光源によって照らされ絞り値が読み取れます.
引伸レンズを撮影に使う場合,各収差の補正は1m前後を基準に設計していると考えられます.マクロではない一般撮影レンズの設計基準は無限大です.
近接撮影はよいけれど風景写真などを撮る場合像面湾曲が出る可能性はあります.まぁこれで風景を撮ることはないでしょうけど.
α7への取り付けは 1mm厚M42→SONY Eアダプター(ヤフオクで売っていた)・・・BORG M42ヘリコイドのいちばん薄いタイプ・・・M39→M42変換リング となります.
この状態ではかなりオーバーインフです.30cmくらいまで寄れるのでこれでいいことにします.
マミヤ35用というクラシックなフードを入手しました.少し内径が大きいので輪ゴムを挟みます.絞り変更はフードを回すことになりますがこのフード,外側がローレットになっているので都合がよいです.
庭の花を撮ってみました.F16 1/80sec. ISO 1600 .この距離で手持ちだと狙ったところにフォーカスはまず来ません.開放でフォーカシング,絞る動作で簡単に数ミリ以上カメラが動いてしまいますから.数打ちゃ当たる方式です.少し風があったので被写体ブレがあるかも?
あっさりした写りで解像力は高く,拡大するとどんどん細部が見えてきますがエッジの効いたカリッとした描写ではありません.
何枚か画面隅にフレアが出まして,原因を探ると絞り読み取り窓から光が入ることが分かりました.そりゃそうだよなぁ.内部のスリットを塞ぐ必要があります.
建物を撮るとどうなるかはおいおい検証していきます.