以前のエンクロージャーに両面テープで貼り付けていたときの写真です.
これをスピーカー・システムに追加する実験をしています.ドーム・トゥイーターみたいに見えますが,ピエゾ(圧電素子)です.ピエゾはピックアップとして楽器に使われますがスピーカーにもなります.
ピエゾスピーカーといえば安物ステレオシステムやカラオケ用スピーカのトゥイーターとしてよく使われています.なんたって振動板とフレームだけで,コイルもマグネットもないのだから極めて安価に作れるのです.
このユニットもパイオニアの安物ステレオシステムに使われていました.はずしてオークションに出していた人がいたのです.ピエゾなんてまったく関心がなかったのですが,このルックスに惹かれました.タンジェンシャル・エッジ風? よく見ると溝は刻まれているだけで本格的なタンジェンシャル・エッジとは違うし,そもそも振動板自体で音を出す(この点ではリボン・トゥイーターと一緒)のであるからエッジ関係あるのかなぁ.設計者のシャレだったりして.(笑)
ピエゾはダイナミック型スピーカーに比べインピーダンスがべらぼうに高いのでネットワークを介さずとも使えます.高域はスーパートゥイーター並に伸びている場合が多い.もっともこのユニットに関してはスペックは全然分かりません.能率はたぶん90dB程度ではないかと.このままアンプに繋いで聴くと可聴域の音もかなりチリチリと出ております.
Siemens 10Wにこれを追加して聴くと高域がリッチになってなかなか面白い.たぶん倍音付加器として作用しているんじゃないかと思います.エキサイター / エンハンサーを通した音に通じるものがある.これだけではやはり音に芯がないので結局はJBL 2402も鳴らします.
新エンクロージャーにこのユニットを片チャネル二本ずつ,コンデンサーを通して追加してみました.2402と並列になっています.ほんのちょっと効いているだけですが悪くない.
安物高音ユニットの代名詞のようなピエゾですが,2000年代になってmurataのセラミックを使った高級トゥイーターやクレハの振動板をプリーツ状にしたユニットなど新しい動きがありました.マグネットもコイルも要らないピエゾはこれから進歩するのではないでしょうか.クレハのユニットを使った全帯域ピエゾのスピーカー・システムも発表されたけど売れたのかなぁ? 低域に対しては能率がきびしいみたいで70dBだそうで.