バードランドのアート・ブレイキー

f0080743_23492621.jpg

この二枚のアルバムは題名も内容も似通っていて非常に紛らわしい.ブレイキーのバードランドこにおけるライブ録音といえば1954年録音の「バードランドの夜」が有名で何度も再発されているみたいだ.しかしこの2枚はそれより5,6年後の録音で(僕が思うには)ジャズ・メッセンジャーズとしては最強メンバーの時代である.バードランドの名物MC,ピー・ウィー・マーケットの声も十分入っている.Meet You・・・はテナーがモブレイからショーターに変わっただけだが,ここで聴けるショーターの存在感はすごい.僕は60年代のショーターが大好きだ.

Art Blakey & The Jazz Messengers / At the Jazz Corner of the World
Birdland", NYC, April 15, 1959

Art Blakey & The Jazz Messengers
Lee Morgan (tp)
Hank Mobley (ts)
Bobby Timons (p)
Jymie Merritt (b)
Art Blakey (ds)

-------------------------------------------------------------------------

Art Blakey & The Jazz Messengers / Meet You at the Jazz Corner of the World
Birdland", NYC, 3rd set, September 14, 1960

Lee Morgan (tp)
Wayne Shorter (ts)
Bobby Timmons (p)
Jymie Merritt (b)
Art Blakey (ds)

内容はわかる人は聴かずともわかるだろうが典型的なハード・バップ.ハード・バップとは乱暴にいえば最初と最後に全員でテーマを演奏し,その間は管とピアノが一人ずつアドリブ・ソロを演奏するという形式で,正に典型的なモダン・ジャズであり誰が聴いてもジャズに聞こえるだろう.ジャズ初心者にはどの曲もアルバムもテーマ以外はおんなじに聞こえるかもしれない.

僕はこの類のアルバムはほとんど持っていない.別に嫌いじゃないんだけど,あえて購入するほどでもないといったところか.

今回入手する気になったのは・・・初めてLPのオリジナル盤を(意識して)聴いたのがこのアルバムのどちらかだったのだが,それは衝撃的といってよい体験だった.とにかく聴いたことがある音と全然違う.今まで自分が買い集めてきたジャズ・レコードは何だったのか,と一瞬思ってしまった.まぁ時間が経つとこれはこれでいいかと思えるようになったのだが・・・.

それでちょっとCDで聴いてみようかと思ったのだ.どうやら僕か聴いたのは後のアルバムのようだが,現在の僕の装置で聴いたRVGリマスターのCDは,かつて聴いたオリジナル盤LPの厚みと切れがある音とは似ても似つかぬワイド・レンジ風サウンド.(苦笑) まぁいいやね,音楽の内容はちゃんと把握できるんだし.

僕はアート・ブレイキーと握手したことがある.あれは70年代末だったかな・・・? バイトしていた新宿東口近くのジャズ喫茶「びざーる」にある夜一人の黒人のおっさんが入ってきた.彼は階段を下りると(ジャズ喫茶は地下にあった)客席には行かず,すぐに我々店員のいるカウンター前のトイレに入ったのだ.バイト店員の一人が「あれブレーキーじゃないか?」と言い出した.「たしかに似てるけどまさかなぁ・・・」とわいわいしゃべっていたらトイレの戸が開き,出てきた男は「Yes. I'm Blakey.」と言いながら手を差し出したのであった.ブレイキーは思ったより小柄な人であった.掌はちょっとがさがさしていた.
[PR]
by auf1028 | 2010-05-05 23:49 | 音楽 | Comments(2)
Commented by ksmt at 2010-05-08 10:27 x
ウエインショーターも参加していたのですね。すっかり忘れていました。さっそくCD借りてきて聞いてみます。昔からマイルス・イン・ベルリンの枯れ葉が好きで、そればかり聞いています。ショーターのアドリブもハンコックのバッキングも素晴らしいのですが、最近なんとなくこれはアドリブではなくて、ハンコックの描いた譜面を忠実に演奏しているだけじゃないかという疑念を抱きだしました。

しかし、よくブレーキーだと気づきましたね。私じゃ分からなかっただろうなぁ。
Commented by auf1028 at 2010-05-08 22:20
私が最初に聴いたジャズ・レコードがマイルス・イン・ベルリンの1年前に録音され
たリンカーン・センターでのライブ「My Funny Valentine」で,この頃のマイ
ルスは好きですね.これはショーターが入る前ですが数百回聴いてると思います.

フランス録音の「In Europ」と3枚聴き比べると面白いですよね.

ジャズ・メッセンジャーズ時代のショーターはマイルス・グループでの演奏と随分
違ったプレイで面白いです.彼が初来日したのはブレイキー時代ですね.
<< 異常巻アンモナイト サーマルリレー管 >>